去る7月7日、上智大学9-250教室において、今年3月に退官なさったJ.マケックニー先生の講演会が行われた。まだ梅雨の明けきらない、あいにくの曇りがちの空模様にもかかわらず、講演会には約40人のSELLDA会員および現役の英語学科生が出席し、引き続いて上智会館前においておこなわれた茶話会もなごやかな雰囲気のうちに幕を閉じ、出席者一同先生との再会を喜んだ。
今年70才になられるマケックニー先生は、4年前に数か月ほど入院なさったものの、今はすっかり回復なさって、出席者の前にお元気な姿を現された。
講演は、”Thirty-four Years at Sophia”と題され、予定の3時を少し回った3時15分すぎから約1時間半にわたった。お話は先生のS.J.としての修練期間の思い出から、日本にいらっしゃることになったいきさつ、来日後最初に教鞭をとられた広島学園でのエピソードの数々まで、多岐にわたり、上智ではみられなかった先生の違った一面に、出席者の多くも新鮮な驚きをおぼえた。
中心となる上智の思い出も、授業に関するお話はもちろんのこと、それにとどまらず、舎監をなさったこともある学生寮にまつわるたくさんのエピソード、課外活動でのご活躍など先生の幅の広いお人柄をしのばせた。
授業では先生はとりわけ1年次必修の英文学を長年受けもたれ、女子クラスができてからは主にそちらを担当なさったため、女性出席者の中には、Poe、HemingwayなどのShort StoriesをTheme、Climax、Conflictと分析してゆかれる先生独自の授業形式を懐かしく思い出す者もあった。
特に楽しいエピソードとしては、舎監時代、ふとしたきっかけから体育会野球部の顧問となられ、本場アメリカ仕込みのバッティングの指導で、選手がホームランを打つなどの大活躍をしたということ、また、Dramaのクラスの有志を引率してのホンコン旅行など、単に授業にとどまらない先生の全人格的指導や学生との暖かい交流が皆の胸に思い出された。
その後15分ほど質問の時間が設けられ、先生も懐かしい卒業生からの数々の質問に思い出をあらたにされて、お喜びの様子であった。
引き続き約1時間にわたっておこなわれた茶話会には、約半数が出席し、お互いの旧交をあたためつつ、先生と歓談し、文字通り昔話に花が咲いた。
マケックニー先生は現在、SELLDA会員有志の、主に女性からなる聖書研究会を月に1度の割合で催されておられる。退官後も上智の学生・卒業生の指導に情熱を傾けられる先生に、お忙しい中お時間をさいてご講演いただいたことを、会員一同感謝するとともに先生の今後の一層のご健康・ご活躍をお祈り申し上げたい。